歌詞解説『Balloons』-形容詞の順番には決まりがある!
最近、娘ちゃんの手先がとても器用になり、その進歩に驚いています。これまではボールを落としても、「拾ってー」という上目遣いをするだけだったのですが、今では、すぐに拾い上げられるようになりました。視覚情報から運動神経への指令が補正されていく様子を生で観察できるのは、非常に面白いですね。
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本日も、DWEの歌詞解説を行っていきたいと思います。
DWEには、重複を除いても150曲以上の曲が含まれています。これらの歌詞を読むと、ストーリーに沿いながらも、きちんと基本の文法・構文が取り入れられていることに気づきます。つまり、楽しみながら歌を歌っているうちに、自然と正しい英語を身につけられるような構造となっているのです。
今日取り上げる曲は、Book2の2曲目である『Balloons』です。この曲はBook2およびBook3で何度も登場します。Blueシリーズ(Book1-3)の"テーマ曲"と言ってもいいかもしれません。単純な曲調ながらも耳に残りやすい名曲だと感じます。
『Balloons』にはShort ver.とLong ver.が収録されていますが、今回は両方を合わせて取り上げたいと思います。
(1)三単現の「s」を復習しよう
Minnie has a pink balloon.
Huey and Dewey and Louie have no balloons at all.
三単現の「s」はBook1の『Pluto's Song』でも登場しました。
ここでは、主語が単数のMinnieの場合は「has」、主語が複数のHuey and Dewey and Louie の場合は「have」と、1曲の中で使い分けをマスターできるようになっています。ぜひ、こんがらないよう、何度も歌ってマスターしましょう。
(2)形容詞の順番には決まりがある!
Pluto's balloon is big and green.
この英文を訳すと「プルートの風船は大きくて緑色だ」となります。日本語であれば、「プルートの風船は緑色で大きい」と訳しても違和感はないでしょう。しかし、英語の場合、状況は少し変わります。ネイティブは、
Pluto's balloon is green and big.
と形容詞の順序を変えた英文に少しおかしなニュアンスを感じ取るといいます。形容詞には、純然たる順序があるのです!
具体的に見ていきましょう。形容詞は次の10個のグループに分かれます。
- volume(量)・・・many, several…
- opinion(評価)・・・beautiful, delicious, pretty…
- size(大きさ)・・・big, small, tiny, tall…
- temperature(温度)・・・cold, hot…
- age(新旧)・・・new, old, young…
- shape(形態)・・・flat, sharp, round…
- color(色)・・・red, green, vivid…
- origin(出身)・・・Japanese, European…
- material(素材)・・・paper, wooden…
- purpose(目的)・・・wedding, walking…
そして、基本的には複数の形容詞を並べる場合、上から下の順番で並べます。
そのため、例えば…
- She wears a beautiful red wedding dreess.
- He bought many wonderful antique wood rocking chairs.
のような順序となるのです。
(3)代名詞の「one」が初登場!
One for me and one for you.
oneは数字の「1」という意味のほかに、すでに出てきた名詞を言い換える「代名詞」としての働きがあります。この曲においては、「one = a balloon」を意味します。
同じような代名詞としては、「it」があります。itは特定の物である「それ」を指しますが、oneは不特定の物や人を指します。たとえば、、
- I bought a new cellular phone. I like it.
この場合、2文目は、1文目の「新しい携帯電話」という特定のものを指しているため、「it」を使います。一方で、
- I need a pen. Do you have one?
この場合の2文目では、「ペンであれば何でも良い。特定のペンを指しているわけではない」ため「one」を使います。
oneと対応する「the other」「another」「others」についても、この後、さまざまな歌で登場した際に解説していければと思います。
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英語解説の際、私は以下の書籍を参考にしています。
500円という破格の値段にもかかわらず、英文法のエッセンスが詰め込まれている名作です。Kindle Unlimitedを利用されている方は、無料で参照することも可能です。ぜひお手元に置かれることをお勧めします。
ではまた次回。